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2006年 09月 08日
こんにちは、この中では最もカーストの低い4号であります。
古代インドでいうとスードラ、兵隊でいうと二等兵なんだな。 ふだんから上官殿たちに精神注入棒で殴られ罵倒されている自分は、めずらしく機嫌のよろしい上官1号殿に連れられて夜の神保町へと強制連行されました。もちろん逆らえるはずもありません。 1号殿とお友達のMS-ZU(モビルスーツじゃないですよ)さんは、カレーをご所望の様子。なればカレー激戦区の神保町に向かうのは当然であります。いきなりの前線投入に昂ぶる4号! 自ら斥候の役目を買って出て、1号殿たちを案内したのであります。 向かう目的地は「インド風カリーの店 エチオピア」。自分は神保町歴は長く、通い始めて20年以上経つのですが、ずっと昔から気になっていたお店です。ディスプレイされているエビカレーのエビが、ロウ細工の贋物だとはわかっていても、たまらなく美味そうに見えていたのであります。10年以上もこのロウソクのエビに生唾ごっくん。しかし自分には、こんな贅沢なカレーを食する資格があるはずもなく、横目で眺めて通り過ぎることしかできませんでした。まさに楽器屋のショウウインドウの前で、黄金に輝くトランペットを目で殺さんばかりの勢いで見つめるニガーボーイ状態……。 そんな自分がついに禁忌を破りエチオピアに突入したのは数週間前のこと。そしてまたこの夜、1号殿に連行されて2度目の突入です。 食券を買い求めるところから始まるわけですが、チキン、ビーフ、野菜、エビ、あと豆カリーと5種類の基本メニュー+各種カレーに野菜をミックスするパターンもあります。自分はルー大盛りでエビ+野菜のミックスに。1号殿はなんでしたっけ?覚えておりません。MS-ZUさんはなんでしたっけ?これも覚えておりません。 テーブルにつくとジャガイモが各人1個ずつ出されます。これは洋風カレーのお店に行くと定番の突き出しのようでありますが、エチオピアの場合、このジャガイモが命綱となるのです。なぜならば、注文を取ってから、場合によっては20分から30分ほどカレーが出てこない時があるからです。このジャガイモで、殺伐とした数十分を食いつなぐのであります。 注文時にカレーの辛さを女給に申し付けるのですが、最低0倍から最高70倍までの設定が可能です。初めて食べた時には調子に乗って10倍にしたのですが、直後に具合が悪くなったという故事になぞらえ、今回は控え目の4倍で注文。1号殿らは0倍。よその客人たちが「10倍で」と注文する声を聞くと、なんとも自分らはシャバいなあと思わず恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。時々、12倍とか11倍とかいう不思議な数値をオーダーする客人もおりますが、この数値を申し付ける楽しさ、おかしみが、またここのカレーを美味しくさせている要素なのでしょう。 まあ実際のところ、食ってみたら1号殿らは「おいしい、おいしい」と平気な顔してる正面で、自分は口もあまりきけない有り様になっていましたがね……。4倍でも10倍の時と同じ辛さがありました。 神保町は学生の街でありますが、なかなか美味い名店が潜んでいる食の魔窟でもあります。幼少の頃の記憶にあるお茶の水~神保町界隈の風景は、もう随分と変貌してしまいましたが、それでもまだまだ路地裏には当時の面影を残しているのであります。ここは自分が生まれた街でもありますし、両親が学生時代を過ごした場所でもあるので、ある意味ルーツとなっている街であるとも言えるかもしれません。これからもこの街を掘り下げていきたいと、決意も新たにする所存であります。
by amkp
| 2006-09-08 21:04
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